暖かくなってきました。サラダに使われるトマト、キュウリ、レタスなど、生食の野菜はスーパーからの発注が増えています。学校の給食も始まり、ニンジンやキャベツ、タマネギの売れも活発です。
暖かくなるこの時期におすすめしたいのが、ハッサクです。和歌山のハッサクは、全国でもトップの生産量を誇ります。中でも紹介したいのが、さわやかな酸味が特徴の「木成(きな)りハッサク」です。
ハッサクは寒さに弱く、通常は12月末までに収穫し、貯蔵して酸味を抜きます。木成りハッサクはあえて収穫せず、木につけたまま熟すことで、甘酸っぱくなります。由良町近辺で始まったと言われ、温暖で気温が下がりにくい和歌山ならではの果物です。
ハッサクは1月から5月までの長い期間出荷されますが、木成りハッサクは今が旬。今年はほどよい酸味で、特においしいですよ。スーパーなどで選ぶ際は、なるべくオレンジ色の濃いものがおすすめです。
皮が厚くて堅いのでむきにくいですが、地元ならではの木成りハッサクを、地元の人にこそ食べてほしいです。暖かい季節に、さわやかな甘酸っぱさをご賞味あれ。(和歌山青果野菜部・﨑山淳副部長)
上記記事は朝日新聞に掲載されました。