今週は、三宝柑を紹介します。皮はやわらかく、むきやすいのですが、種が多いという欠点もあります。ただ、苦みがなく、さわやかな香りがする果実で、食べるなら、春の季節にぴったりです。
江戸時代に和歌山城外不出の果実として栽培され、三方(三宝)と呼ばれる器に載せて珍重されていたそうです。殿様への献上品のため、一般の人は栽培できなかったことから、いまだに県外での知名度は低いようです。
店では、皮の表面につやと張りのあるものを選んでください。また、ずっしりと重く感じるものも購入する目安になります。表面にしわが増えているのは、鮮度の落ち始めです。
ジュースやシャーベットがおすすめですが、皮ごとマーマレードにしても。お酒好きならカクテルに使えば香りが最高です。
(和歌山青果・田端秀行取締役部長)
上記の記事は朝日新聞に掲載されました。